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塩基の対合

塩基 ( または ヌクレオチド nucleotide ) の対合のルールは:

  • A と T : プリン 塩基 アデニン adenine ( A ) は常に ピリミジン pyrimidine 塩基 チミジン thymine ( T ) と対合する。
  • C と G : ピリミジン塩基 シトシン cytosine ( C ) は常にプリン塩基 グアニン guanine ( G ) と対合する。

二重らせん内で 2 個のプリン塩基が対合するには十分な空間 ( 20 Å ) がない。また, 2 個のピリミジン塩基がお互いに十分接近するのは距離がありすぎて,水素結合が形成できない。

しかし,なぜ A と C ,あるいは G と T ではないのか?

その答えは, A と T との間あるいは C と G との間にのみ 水素結合 が形成できる。すなわち,図に点線で示したように,A と T との間には 2 ヵ所,C と T との間には 3 ヵ所形成される。これらの関係はしばしば ワトソン-クリック の塩基対合のルールと呼ばれている。

この対合のルールによって, 1 本鎖の DNA の塩基配列が分かった場合に,他の DNA 鎖の相補的配列を即座に推定することができる。

また,このルールによって,生物の DNA がもつアデニン ( A ) の量がなぜチミン ( T ) の量と一致するのか,同様に,グアニン ( G ) の量とシトシン ( C ) の量がなぜ一致するのかが説明できる( これをシャルガフのルール Chargaff’s rule という )。

C+G :A+T 比は生物によって変動がある ( とくに前核動物間で変動が大きい )。しかし,実験誤差の範囲内で A = T と C = G と言える。
DNA における塩基の相対的含有量 ( % )
生物 A T G C
ヒト 30.9 29.4 19.9 19.8
ニワトリ 28.8 29.2 20.5 21.5
バッタ 29.3 29.3 20.5 20.7
ウニ 32.8 32.1 17.7 17.3
コムギ 27.3 27.1 22.7 22.8
酵母 31.3 32.9 18.7 17.1
大腸菌 24.7 23.6 26.0 25.7

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February 05, 2020

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