Gene_Expression_Prokaryotes.html

前核生物における転写と翻訳


Kimball
22 April 2014 版を翻訳一部改変

大腸菌遺伝子の同時に起こる転写と翻訳

大腸菌遺伝子の同時に起こる転写と翻訳

DNA鎖を鋳型としてメッセンジャー RNA ( mRNA )が合成されるプロセスを転写(transcription) といい,mRNAを鋳型としてタンパク質がつくられる段階を翻訳(translation)という。

〔写真の説明〕

上から下に見られる長い繊維 ( 緑矢印 ) は大腸菌のDNAの一部である。

翻訳が開始されてリボソームが移動すると、別のリボソームが開始位置に結合し、多数のリボソームが メッセンジャー RNA ( mRNA )上に数珠つなぎになって翻訳を行う。

この構造をポリソーム polysome ( 赤矢印 ,ポリリボソームともいう) と呼び,その長さは上から下へ行くほど長くなっている。

各ポリソームは RNA ポリメラーゼ 分子を含むタンパク質複合体によって DNA 鎖に付着する 。 すなわち,

  • RNA ポリメラーゼ 分子が上から下に移動することによって,DNA が 転写 される。
  • そして,リボソームが近位部から遠位部方向に移動しすることによって,伸張している mRNA 分子が翻訳される。

大腸菌を含むおそらくすべての前核生物において, DNA の mRNA への 転写 transcription と mRNA のポリペプチドへの 翻訳 translation ( この図では見ることはできない )はほぼ同時に,かつ同じ場所で綿密に調整されて起こる。

これに対して,真核生物ではすべての転写は核で起こるが,ほとんどの( すべてではない )翻訳は後になって細胞質で行われる。


最初に戻る

メニューのページへ戻る

March 05, 2020

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です