プロジェステロン progesterone
ステロイドホルモンの 1 つで,黄体ホルモンとも呼ばれる。
プロゲステロンは,黄体 corpus luteum や 胎盤 placenta から分泌される。
プロゲステロンは,排卵が起こって黄体が形成されると分泌が始まり,妊娠が成立しないときには黄体が萎縮して分泌が止まり,次の周期が起こる。胚が着床すると,分娩までプロジェステロンの分泌が続く。
黄体
排卵後の黄体から分泌されるプロジェステロンの主な機能
- 子宮内膜の分泌活動を盛んにして,着床の準備をする。
- 子宮筋の収縮を抑制する。
- 新しい卵胞の発育を抑制する。
排卵された卵が受精しなかった場合には,黄体は萎縮し,卵巣ホルモンの分泌が急減する。
胎盤
妊娠が成立すれば,子宮内膜で栄養芽層から黄体形成を促進する胎盤性性腺刺激ホルモンの分泌が始まり,黄体からのプロジェステロン分泌が続くが,妊娠 3 ヵ月ころからは胎盤が黄体に代わってホルモン分泌の主役を演じるようになる。
プロジェステロンの作用機序
プロジェステロンは化学式 C21H3CO2,分子量 314.47 の比較的低分子の化合物である。水に溶けず,アルコール,アセトンに溶ける。 子宮内膜のような 標的細胞 target cell では,
- 血液中から標的細胞内に移行して,細胞質の プロジェステロン受容体 ( レセプター ) と結合する。
- プロジェステロンと結合した受容体は核に移行して DNA に結合し(注),
- mRNA 合成を介して特異的タンパク質の合成が起こる。
(注)プロモーターの特異的な DNA 配列を progesterone response element と呼び,遺伝子のスイッチの役目を果たす。 このように,プロジェステロンとその受容体は転写調節因子として働く。
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February 07, 2020