NAD と NADP
NAD = ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド nicotinamide adenine dinucleotide
NADP = ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸 nicotinamide adenine dinucleotide phosphate ( NAD の類縁物質 )
は細胞における最も重要な 補酵素 coenzymes である。図の一番下に示したように,NADP は NAD に 3 つ目のリン酸基が付いただけである。
ニコチンアミド環 ( 図の右上 ) の窒素は電荷をもっており,これらの酸化還元酵素反応に関与する補酵素の酸化型は,それぞれ NAD+ と NADP+ と表示する。
細胞では,ほとんどの場合水素原子が除去されて酸化が起こる。これらの補酵素は,この時重要な働きををする。 NAD+ ( または NADP+ ) の各分子は 2 個の電子を獲得できる。つまり 2 個の電子によって還元される。ただし,1 個の陽子だけが還元と同時に生じ,酸化の時 ( 2 個の水素原子が除去された時 ) に生じた他の陽子は周囲の溶液中へ放出される。 NAD に対する反応は以下の通りである:
NAD+ + 2H → NADH + H+
NAD は細胞の多くの酸化還元反応に関与する。たとえば,
NADP は還元剤 ( 自分は容易に酸化され,相手を還元するもの ) である。
- 光合成 photosynthesis の明反応において生産される。
- 光合成の カルビン回路 Calvin cycle で利用される。
- 動植物における他の多くの嫌気反応で利用される。
通常の細胞では,右図赤で示された水素原子が NADP から解離する。
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February 07, 2020