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糖タンパク質

糖鎖を共有結合したタンパク質を糖タンパク質,あるいは グリコプロテイン とよぶ。

糖タンパク質の糖鎖の大部分のものは 2 つのグループに大別される。

  • セリン あるいは トレオニン の R 鎖 の水酸基 ( -OH ) と結合する “O-リンク型 ” ( “O-グリコシド型 ” )と,あるいは
  • アスパラギン の R 鎖のアミノ基 ( -NH2 ) と結合する “N-リンク型 ” ( “N-グリコシド型 ” ) がある。

炭水化物は,たいてい分岐した短い糖鎖と窒素を含む アミノ糖 からなる。

糖は多くの水酸基 ( -OH ) をもっているために親水性である。そのため,糖タンパク質も親水性の性質を持つ。

細胞の表層に露出しているタンパク質のほとんどは糖タンパク質である。

右図は グリコホリン A glycophorin A の一次構造を示す。この糖タンパク質はヒト 赤血球 の細胞膜 ( 脂質二重層 ) を補っている。各赤血球はその細胞膜に埋め込まれた約 500,000 コピーの分子をもつ。

  • 15 本の炭水化物鎖がセリン ( Ser ) とトレオニン ( Thr ) 残基に対する “O-リンク型” である。
  • 26 番目の位置の 1 本の炭水化物鎖がアスパラギン ( Asn ) 残基に対する “N-リンク型” である。

グリコホリン A には, 2 つの 多型 があり,ヒトではポジション 1 と 5 で認められる。

これにより,MN 型が生じる。

MN 血液型

  • M 遺伝子は,ポジション 1 の Ser ( Ser-1 ) とポジション 5 の Gly ( Gly-5 ) をコード化している。
  • N 遺伝子は, Leu-1 と Glu-5 をコード化している。

遺伝子型から表現型へ

  • 2 個の N 遺伝子を受け継いだヒトは N 型。
  • M 遺伝子の ホモ接合体 のヒトは M 型。
  • ヘテロ接合体 のヒトは両方のタンパク質を生産し,血液型は MN 型。

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February 06, 2020

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