G タンパク質
G タンパク質は グアニンヌクレオチド である GDP と GTP に結合しているためにこのように呼ばれている。これらは異質三量体 ( すなわち,3 つのサブユニットからなる ) で,以下のものと結合している。
- 細胞膜の内面
- ホルモンなどの膜貫通型 受容体 - これらは G 蛋白質共役型受容体 G-protein-coupled receptors ( GPCR ) と呼ばれる。
3 つのサブユニットは:
- Ga, ヌクレオチドへの結合部位をもつ。少なくとも 20 種類の Ga 分子が哺乳動物細胞で認められている。
- Gb
- Gg
どのように機能するのか
- 不活性の状態では, Ga はその結合部位に GDP をもつ。
- ホルモンや他のリガンドが関連する GPCR に結合すると,受容体に アロステリック 変化 ( すなわち,三次構造の変化 ) が起こり,
- これが, Ga にアロステリック変化を引き起こす。そして,
- GDP がはずれ, GTP に置換される。
- GTP が Ga を活性化し, GbGg ( 二量体として結合したまま ) を解離させる。
- 活性化された Ga が今度は作動分子を活性化する。(図には一般的な例を示す)すなわち, アデニリル・シクラーゼ ( ATP を第 2 メッセンジャーである サイクリック AMP , cAMP への変換を触媒する細胞膜内面にある酵素 )
Ga サブユニットの種類
Gas
このタイプはアデニリル・シクラーゼを 刺激 ( s = “stimulatory” ) する。 図にはこれが示されている。これは多くのホルモンの受容体を関連している:
- アドレナリン
- グルカゴン
- 黄体形成ホルモン ( LH )
- 副甲状腺ホルモン (PTH)
- 副腎皮質刺激ホルモン ( ACTH )
Gas はコレラ菌が放出する毒素の標的でもある。コレラ毒素が Gas に結合すると,スイッチを入れた状態になる。その結果,高濃度の cAMP が連続的に小腸の上皮細胞から多量の塩類を損失させてしまう。浸透圧の関係で多量の水分が下痢を起こし,塩類と水分が速やかに置換されないと危険な状態となる。 |
Gaq
これは ホスホリパーゼ C phospholipase C ( PLC ) を活性化する。PLC は,以下の第 2 メッセンジャーを生成する:
- イノシトール 3 リン酸 inositol trisphosphate ( IP3 )
- ジアシルグリセロール diacylglycerol ( DAG )
Gaq は,以下の受容体に結合する G タンパク質に認められている。
Gai
これはアデニリル・シクラーゼを 抑制 ( i = “inhibitory” ) して,細胞の cAMP 濃度を低下させる。 Gai は ソマトスタチン の受容体によって活性化される。
Gat
“t” はトランスデューシン transducin を指す。この分子は光に反応する網膜の桿細胞における信号に反応する。 Gat は サイクリック GMP ( cGMP ) の分解を引き起こす。
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February 06, 2020