鳥インフル 感染拡大 鹿児島「危機迫っている」
2020.12.03
宮崎県都城市の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が確認された3日、都城市と接する鹿児島県は、県内にある約900の養鶏場に電話で、鶏の大量死の有無などを確認している。異常の報告はないという。養鶏場でも消毒回数を増やすなど、感染防止に厳戒態勢を敷いた。
鹿児島県は、ブロイラー飼育羽数が宮崎県に次ぐ全国2位(2797万羽)、採卵鶏が同3位(1194万羽、いずれも昨年2月現在)。11月には、国内最大のツルの越冬地・鹿児島県出水市で、ツルのねぐらの水と野鳥のふんから、高病原性のウイルス「H5N8亜型」が検出されている。
都城市に隣接する鹿児島県曽於市などで約220の養鶏場を展開する鹿児島くみあいチキンフーズ(鹿児島市)は発生を受け、養鶏場や関連施設の消毒回数を増やし、人の出入りの制限も徹底した。同社の岩重秀一・獣医師は「これまでとは危機感が違う。防疫を徹底する」と話した。
県によると、今回の移動・搬出制限区域の半径10キロ圏内には、県内の養鶏場は入っていないという。県畜産課の担当者は「県境の地域には採卵の養鶏場が多い。危機は迫っており、警戒を一層強めたい」と気を引き締めた。
《読売新聞 2020/12/03 より引用》