20201210

佐伯で鳥インフル 養鶏場 和歌山も、8県に拡大


2020.12.10

 大分県は10日、佐伯市の養鶏場で高病原性の疑いがある鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)を検出したと発表した。大分県内の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したのは2011年2月以来。和歌山県も同日、感染確認を発表した。今季は11月以降、西日本の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が相次いでおり、両県を含めて計8県となった。

大分県によると、ウイルスが検出されたのは、ブロイラー約1万3500羽を飼育していた養鶏場の鶏。9日午前、「33羽が死んでいる」と通報を受けた県が簡易検査をして陽性と判明し、10日に遺伝子検査で「H5亜型」のウイルスを検出した。

県は対策本部を設置し、10日午前7時頃から、経営者が同じ市内の養鶏場を含め計3か所、約5万5500羽の殺処分を始めた。職員120人態勢で消毒を含めた防疫措置を進める。

また、感染が確認された養鶏場から半径3キロ圏内(養鶏農家3戸、約3万1500羽)を鶏や卵の移動制限区域に、半径3〜10キロ圏内(養鶏農家8戸、約11万1000羽)を域外への搬出制限区域に設定する。

県内で100羽以上を飼っている養鶏農家は154戸、飼育羽数は計約420万羽。10日朝の対策本部会議で、広瀬勝貞知事は「すみやかに殺処分などの防疫作業を行う必要がある」と述べた。会議後、県畜産振興課の本田文博参事は記者会見し「他県で発生し、警戒を強めていた中で非常に残念。農家と情報を共有し、防疫対策を強化する」と警戒を強めた。

九州では今季、福岡県宗像市に加え、宮崎県日向市、都農(つの)町、都城市、小林市の養鶏場でも感染が確認されている。

一方、和歌山県では、紀の川市の養鶏場でウイルスを検出し、10日午前、この養鶏場で飼育する約6万7000羽の殺処分を開始した。仁坂吉伸知事は陸上自衛隊に災害派遣を要請した。

県によると、9日昼頃、養鶏場から「鶏が1羽死に、ほかの鶏の様子もおかしい」と通報があった。簡易検査で陽性反応が出て、遺伝子検査の結果、H5亜型と確認された。

県はこの養鶏場から半径3キロ圏内を移動制限区域、半径3〜10キロを搬出制限区域に設定した。両区域内には計7か所の養鶏場があり、計約2万2500羽が飼育されている。

図=地図

図=養鶏場で鳥インフルエンザ発生が確認された8県

写真=消毒用の消石灰がまかれた養鶏場(10日午前11時46分、大分県佐伯市で、本社機から)

《読売新聞 2020/12/10 より引用》