鳥インフル疑い 横手の養鶏場 190羽死ぬ 県、卵など移動制限を要請=秋田
2021.11.10
横手市の養鶏場で大量の鶏が死に、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザの疑いがあることが9日、明らかになった。県内の養鶏場で鳥インフルエンザの疑いが確認されたのは初めて。県は確定診断に向けて遺伝子検査を進めており、県内の養鶏業者には驚きと不安が広がっている。
県によると、この養鶏場では8日に90羽、9日朝に100羽の鶏が死んでいるのが見つかった。県の家畜保健衛生所の職員が13羽に簡易検査を実施し、うち12羽の陽性を確認した。
県はこの養鶏場には鶏や卵の移動制限を、半径10キロ以内にある他の3養鶏場には搬出制限をそれぞれ要請。養鶏場の消毒を進めるほか、鳥インフルエンザ対策危機管理連絡部を設置し、他の養鶏場に異常がないか情報共有を進めている。
別の養鶏場を経営している男性は「まだ鳥インフルエンザと確定したわけではないが、しばらくは混乱が続きそうだ」と不安そうに話した。男性の養鶏場には卸先から「卵はどういったルートで輸送しているのか」「当該の養鶏場の近くは通らないでほしい」などの問い合わせが相次いだという。
県内の養鶏業者は131業者(昨年10月末時点)で、計265万6000羽を飼育している。県畜産振興課の畠山英男課長は「殺処分などの防疫措置は経営者にとって大きなダメージになり、再起が困難な状況に陥ってしまう」と危機感を示した。
また、県内では北部を中心に特産の比内地鶏を育てている業者もあり、畠山課長は「(もし比内地鶏に感染が広がれば)観光や食文化の面でも大きな打撃になる。感染を抑え込むために万全の体制をとっていきたい」と語った。
県内の他の養鶏業者は「普段から鳥インフルエンザには注意はしているが、今後どういう影響が出るのか、どう対処したらよいのか不安でしょうがない」と困惑気味に語った。
《読売新聞 2021/11/10 より引用》