20110217

三重の鳥インフル、通報遅れの間に1800羽出荷


2011年02月17日12時35分

鳥インフルエンザが発生した三重県紀宝町の養鶏場で、大量死が始まった13日から県に通報があった15日までの間に、肉用鶏1800羽が県内2カ所の鶏肉処理場へ運ばれていたことが分かった。

県によると、出荷は14日夜。この養鶏場では、12日に死んだのは12羽だったのに対し、13日に54羽、14日に79羽と大量死が始まっていた。普段から2~3日に1度、夕方に出荷。出荷先は同じ処理会社の同県松阪市と熊野市の処理場で、それぞれ約1100羽、700羽を運んだ。一部は市場に流通したという。

熊野市の処理場の従業員によると、通常、鶏は夕方に仕入れ、翌朝に食肉加工する。昼以降に三重、和歌山両県のスーパーや精肉店など約60店に納入しているという。従業員は「うちで取り扱う鶏の8割はこの養鶏場から仕入れ、残りは宮崎県など県外産を中心に仕入れている。発生農場から運ばれた鶏はすべて処理済み」と話している。鳥インフルのウイルスは、生きた鳥の体内でしか増殖できないとされる。

1月下旬に起きた宮崎県都農町のケースでは、農場から隣接する町の処理場に運ばれた鶏の大量死が発生し、出荷元の農場と処理場での殺処分につながった。今回も同様の危険性をはらんでいた。

三重県は通報のあった15日のうちに、記録をたどって処理前の鶏を置いた場所を消毒。さらに、13~15日に出入りした車両なども消毒するよう指導した。処理場側も自主的に施設内をすべて消毒したという。

各処理場には、獣医師の資格を持った県の検査員が常駐し、さばく前に外傷や病変がないか目で見て診断し、さばいた後も内臓などを調べる。さらに塩素水槽につけて殺菌し、異常があれば廃棄される。

同県農産物安全室の担当者は「処理場では検査と消毒を行っているので安全性には全く問題ない。仮に、感染した肉を食べたとしても、人への感染などは世界的に確認されていないので、心配ない」と話している。(高浜行人、百合草健二)

《朝日新聞社asahi.com 2011年02月17日より引用》

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