宮崎の鳥インフル拡大、新たに2例 国道10号沿い
2011年01月29日1時53分
宮崎県川南町と延岡市の計2カ所の養鶏場から28日、「鶏が死んでいる」という通報が同県にあり、県の簡易検査でいずれも鳥インフルエンザの陽性反応を示したことがわかった。農林水産省と県は、川南町については感染力の強い「高病原性」と判定して殺処分の準備に入った。
延岡市も遺伝子検査で29日未明に高病原性(H5亜型)と判明。昨年11月以降、国内の養鶏場での高病原性鳥インフルの発生は8件で、そのうち5件が宮崎県内になった。
農水省によると、川南町の養鶏場は、27日に発生が確認された同県都農(つの)町の養鶏場と同じ企業グループに所属。死んだ鶏を回収する業者が同じため、都農町の養鶏場のウイルスが広まった疑いがあるとみて、遺伝子検査の結果を待たずに高病原性と判断した。
川南町の養鶏場では、約9万2千羽を飼育。27日に約150羽が死に、28日にも約400羽が死んだため県に通報があった。簡易検査では調べた5羽のすべてが陽性だった。約9万2千羽が殺処分される。延岡市の養鶏場は約6600羽を飼育。28日に死んだ6羽の簡易検査では、うち3羽が陽性だった。
農水省は、養鶏場で死ぬ鶏の数を毎日確認するよう宮崎県に通知することを決めた。
今回、同県内で発生した鳥インフル5件は、いずれも南北に延びる主要幹線の国道10号沿い。昨年に大流行した家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)も10号に沿って感染が広がり、人や車による伝播(でんぱ)が疑われた。同県は、獣医師1人あたりが担当する家畜の数が全国で最多。農水省幹部は「獣医師が少ないとどうしても対応が遅れる」と話す。
《朝日新聞社asahi.com 2011年01月29日より引用》