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口蹄疫・鳥インフル、韓国も悩む 旧正月目前で拡大懸念


2011年01月24日2時4分

【ソウル=箱田哲也】韓国で家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)と高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)の感染拡大が深刻化している。農林水産食品省は22日、国内最大の高級国産牛の産地である南東部の尚州でも、口蹄疫の陽性反応が出たと発表した。韓国では来月初めに旧正月の連休を控えており、「民族大移動」による口蹄疫の拡散も懸念されている。

同省によると、口蹄疫の検査で陽性と判定されたのは23日午前現在で134カ所。殺処分された豚や牛は約240万頭で、韓国国内で飼育されている豚の約24%、牛の約4%にのぼる。本土全体でワクチン接種を進めており、唯一除外されていた離島の済州島でも接種が検討されている。

だが、口蹄疫の猛威は広がり続けている。韓国では「韓牛」と呼ぶ国産牛が人気。その韓牛ブランドの遺伝子を厳重な環境下で管理する東部の江原道の研究施設でも、保有牛が口蹄疫に感染したことがわかった。また、不十分な処分で、家畜の血液が土中にしみ出して地下水を汚染する被害も発生したと、韓国メディアは伝えている。

一方、昨年12月に感染が確認された鳥インフルエンザウイルスは、主に韓国の西部で広がり続けている。韓国政府によると今月21日現在で、首都圏の京畿道を含む30カ所で感染が確認され、約400万羽を殺処分した。

口蹄疫の全国的な拡散は、人についたウイルスによるものとの疑いも出ている。旧正月を家族や親類と故郷で迎える習慣のある韓国では、2月2日からの連休で帰省客の往来が一気に増えるため、さらなる感染拡大も懸念されている。帰省の自粛を呼びかける動きも出始めている。

 

《朝日新聞社asahi.com 2011年01月24日より引用》

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