鶏の死骸、大半は鶏舎出入り口付近 宮崎・鳥インフル
2011年01月23日3時1分
- 養鶏場での殺処分を終え、消毒を受ける県職員ら=22日午後6時、宮崎市佐土原町、藤脇正真撮影
- 宮崎県の養鶏場と移動制限区域
宮崎市の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザの問題で、死んだ鶏の多くは鶏舎の出入り口近くで見つかっていたことが農林水産省と宮崎県の調査でわかった。人や物に付着したウイルスが出入り口から侵入した可能性があるといい、農水省は専門家による疫学調査チームを派遣して詳しく調べる。
農水省などによると、この養鶏場には鶏舎が六つあり、計約1万羽を飼育していた。このうち養鶏場全体の入り口に最も近い鶏舎で21日、鶏36羽が死んでいるのが見つかった。36羽の大半はその鶏舎に1カ所だけある出入り口近くで死んでいた。鶏舎は縦42メートル、横7メートル、高さ3.5メートル。約1500羽がカゴに入れない平飼いという方法で飼育されており、側面は金網状で空気が通るようになっている。調査チームは、出入り口付近に消毒槽が適切に設置されていたか調べる。
昨年11月に鳥インフルが発生した島根県安来市の養鶏場では、鶏舎の金網に穴が開いており、野鳥が侵入できる状態になっていた。宮崎市の養鶏場では網目の直径が約2センチ程度の防鳥ネットが設置されていたといい、調査チームはネットについても調べる。
また養鶏場から約500メートル離れた場所に、カモ類が飛来する池があることも判明した。今季日本各地で発生している鳥インフルは、シベリア付近から南下する渡り鳥が感染源として疑われている。(大谷聡)
《朝日新聞社asahi.com 2011年01月23日より引用》