宮崎市で鳥インフル疑い 養鶏場で36羽死亡
2011年01月21日21時58分
- 対策本部の会議を終え、記者会見に臨む河野俊嗣知事(中央)ら=21日午後9時49分、宮崎県庁、神澤和敬撮影
- 宮崎県は河野俊嗣知事(右)を本部長とする緊急の対策会議を開いた=21日午後9時34分、同県庁、神澤和敬撮影
- 宮崎市佐土原町の養鶏場で、鶏36羽が死亡
宮崎県は21日、宮崎市佐土原町の養鶏場で、鶏36羽が死んでいるのが見つかり、簡易検査の結果、7羽中6羽の検体が鳥インフルエンザの陽性反応を示した、と発表した。県は宮崎家畜保健衛生所で遺伝子検査をして高病原性かどうか調べている。22日未明に判明する見通し。高病原性と分かれば、同日朝からこの養鶏場で飼育している全約1万羽の殺処分に入る。
宮崎県は全国有数の養鶏地帯。県は21日夜、同日就任した河野俊嗣知事を本部長とする対策本部会議を開いた。遺伝子検査の結果次第で殺処分に加え、発生農場周辺で鶏などの移動を制限する移動制限区域(半径10キロ以内)を設定する。この圏内には約50戸の養鶏農家があり、約200万羽が飼育されているという。高病原性と確認されれば、今季の国内の養鶏場での発生は昨年11月の島根県安来市に次ぐ2例目。
高病原性の中にも死に至る可能性が特に高い強毒タイプと、致死率が低い弱毒タイプとがあるが、大槻公一・京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長は「36羽がまとめて死んだことや鶏の症状などから、強毒性ウイルスの可能性が高い」と話している。
今季は、富山県高岡市や鳥取県米子市のハクチョウをはじめ、国内最大のツル越冬地である鹿児島県出水市でも死んだ野生のナベヅルから強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)が検出されている。また、韓国でも昨年12月から1月にかけて複数の農場で、強毒性ウイルス(H5N1型)の感染が確認されている。
宮崎県では2007年1月にも鳥インフルが発生し、計約7千羽が死に、計約21万羽が殺処分された。昨年は県内で家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)が発生しており、県は昨年後半から、業者や市町村、関係団体などを集め、消毒の徹底や防鳥ネットの確認を繰り返し呼びかけていた。
《朝日新聞社asahi.com 2011年01月21日より引用》