宮崎、家畜の移動制限を解除 3カ月の口蹄疫禍に区切り
2010年07月27日1時35分
宮崎県に発生した口蹄疫で27日午前0時、家畜の移動制限が、外出自粛などを求めた県の非常事態宣言とともに解除された。3カ月余り続いた口蹄疫禍は一応の区切りを迎えた。宮崎市の発生農場を中心に10キロ圏内が家畜などの移動制限区域に、10~20キロ圏が搬出制限区域に設定されていた。家畜のいなくなった畜産農家や風評被害を受けた観光、疲弊した地域経済などの復興はこれからで、食肉輸出を再開するための「清浄国」への早期復帰など、課題は山積みだ。
宮崎県では4月20日に都農町で1例目が確認されて以降、7月4日の宮崎市まで計292例が発生。発生は11市町、殺処分された家畜は計28万8643頭(26日現在)に及んだ。
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宮崎県川南町の養豚場「協同ファーム」の豚が殺処分され、畜舎が空っぽになって2カ月近くたった。農場で働く日高義暢さん(30)らは今、病原体を持たない安全な豚の導入や衛生管理を徹底した「日本一クリーンな産地」を考えている。「ゼロからの出発だからこそ口蹄疫のイメージを払拭(ふっしょく)する復活を遂げたい。再生というより『新生』ですね」と前を向く。(石田一光)
《朝日新聞社asahi.com 2010年07月27日より引用》