農水省、延命望む宮崎県に是正指示へ 殺処分代執行も
2010年07月13日22時2分
- 山田正彦農林水産相との会談後、記者会見する東国原英夫・宮崎県知事=東京・農水省
- 東国原英夫・宮崎県知事との会談後、記者会見する山田正彦農林水産相=東京・農水省
家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)の問題で、宮崎県高鍋町の畜産農家が所有する種牛6頭の処分を拒んでいるのに対し、農林水産省は近く、地方自治法に基づき、種牛の殺処分を行うよう宮崎県に是正を指示することを決めた。農水省によると、同法による自治体への是正指示は初めてという。
山田正彦農水相が13日、東国原英夫知事と農水省で会い、方針を伝えた。これに対し東国原知事は「貴重な遺伝子資源」として種牛を延命させたい意向を改めて示し、会談は平行線をたどった。種牛6頭へのワクチン接種と殺処分を拒んでいる畜産農家の薦田長久(こもだ・ながひさ)さん(72)に対し、県は6月29日、口蹄疫対策特別措置法に基づき殺処分を勧告。しかし薦田さんが延命を訴えると、県は特例として種牛を県所有としたうえで延命させる方針に転換した。
これに対し農水省は「殺処分を勧告したのに延命を認めるのは特措法違反」と判断。地方自治法に基づき、数日間と期限を区切り、所有者に代わり県が殺処分するよう是正を指示する。県が従わない場合は同法に基づき、農水省が代執行して殺処分する方針。
東国原知事は、種牛6頭が健康であることを確認したうえで、16日にも高鍋町を含む県東部で家畜の移動制限を解除する意向だ。しかし農水省は「種牛が残っている限り、制限解除は認められない」と反対し、家畜伝染病予防法に基づき解除しないよう県に指示するという。
《朝日新聞社asahi.com 2010年07月13日より引用》