宮崎の口蹄疫「非常事態宣言」一部解除 殺処分が終了
2010年07月01日12時32分
家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)問題で、宮崎県の東国原英夫知事は1日、県民にイベント・集会の延期や不要不急の外出自粛、消毒の徹底などを求めていた「非常事態宣言」を、家畜などの移動制限が残る地域や畜産関係者を除き、解除すると発表した。4月20日の最初の発生確認から2カ月余りを経て、殺処分対象となっていた家畜約27万6千頭の埋却が前日までに終了し、終息へのめどが立ったと判断した。
ただし、非常事態宣言の解除地域では今後も、イベントの際の消毒の徹底は求める。
「非常事態」は感染拡大防止のため、東国原知事が5月18日に宣言した。法的根拠はなかったが、宣言以降、県内ではイベントの中止や図書館など公共施設の休館などが相次いだ。県によると、6月25日現在で、イベントの中止は24市町村で175件、延期は13市町村で40件にのぼった。
非常事態宣言や口蹄疫の風評などで、畜産に直接関係のない飲食や宿泊、観光業などにも深刻な影響が出ており、県ホテル旅館生活衛生同業組合のサンプル調査では、宿泊施設の5月の売り上げは、前年比で4割減になっていた。
移動制限区域は1日現在、宮崎、都城、日向、西都の4市と国富町と児湯郡内の発生農場を中心に設けられている。制限区域の解除とともに、順次、非常事態宣言も解除される見込みだ。
口蹄疫は都農町で4月20日に確認されて以降、県内では11市町に広がったが、6月18日に宮崎市の農場で確認されて以降、新たな発生はない。今後も発生や異常がなければ、7月16日までにすべての移動・搬出制限区域が解除される。東国原知事は「夏休み前の安全宣言」を目指しており、順調にいけばこの目標も達成できそうだ。
《朝日新聞社asahi.com 2010年07月01日より引用》