口蹄疫、隣接3県も厳戒 鹿児島「県内と同じ危機感」
2010年06月11日1時15分
新たな宮崎県での口蹄疫(こうていえき)の感染疑いの発生を受け、隣接する鹿児島、大分、熊本の3県でも対応に追われた。
黒毛和牛と豚の飼養頭数日本一を誇る畜産王国・鹿児島。同県は10日、畜産関係団体を集めた会議を開き、「埋却可能な県有地はすでにリストアップしている」と、県内発生という最悪のケースを想定した取り組みを説明した。
県ではさらに各農家に埋却用地を事前に申告してもらうことも検討。県畜産課の北野良夫課長は「都城市での発生は県内発生と同じ危機レベルだと考えている。さらに防疫を徹底したい」と強調する。
一部が搬出制限区域内に入り、都城市と隣り合う曽於市は対策会議で、市内で発生した場合の初動として市職員ら130人を動員する計画案を提示。牛豚を埋却する担当者も決めているという。
また、伊藤祐一郎知事は物流を幹線道路に限定し、都城市と県内をつなぐ抜け道の封鎖を検討していることも表明。曽於市も県が封鎖しない幹線道路以外の抜け道に消毒用の石灰をまく方針だ。
大分県も対策本部会議を開き、宮崎・熊本両県から県内に入る国道と県道など計12路線で通行車両の自主消毒を行うことを決めた。これまで大分県佐伯市で実施していた3路線と合わせ、宮崎・熊本両県の県境にあるほぼすべての主要道で消毒を実施。現在精液の供給をしている基幹種牛も5頭を上限に、大分県竹田市から国東市の畜舎へ避難させることを決めた。
熊本県では、6カ所の家畜市場で7月1日から順次始まる予定だった競りの再開が、白紙になった。
《朝日新聞社asahi.com 2010年06月11日より引用》