クローン牛「かが」死ぬ 【大阪】
2019年10月11日
世界初の成牛の体細胞クローン牛として、1998年に石川県内で生まれた「かが」(黒毛和種、メス)が9日、死んだ。県農林総合研究センター畜産試験場が10日、発表した。21歳3カ月で、老衰による衰弱死だった。
「かが」は、双子の「のと」(同)とともに石川県と近畿大学の共同研究で98年7月5日に誕生した。9日正午ごろ死亡が確認された。「のと」は2018年5月に死んでいる。
体細胞クローン牛は肉質や乳量の優れた家畜を大量に作れると期待され、各地の研究機関で開発競争が繰り広げられた。だが、死産や生後間もなく死ぬ割合が高かったことに加え、消費者に受け入れられにくく、研究は下火になった。
畜産試験場の担当者は「一般的な牛の寿命は約20年で、かがはクローン牛としては長寿。クローン牛研究の一時代が終わった」としている。
《朝日新聞社asahi.com 2019年10月11日より抜粋》