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エース級種牛5頭、抗体検査も陰性 口蹄疫、延命確実に


2010年06月07日13時45分

宮崎県は6日夜、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)の感染を防ぐため、移動制限区域から特例で避難させたエース級種牛5頭について、血液の抗体検査が陰性だったと発表した。一緒に避難した種牛1頭が5月22日に感染疑いが発覚したため、延命させるかどうかの判断が必要となり、経過観察していた。2週間の遺伝子検査でも陰性が確認されており、感染した可能性はほぼなく、とりあえず殺処分は免れた。

口蹄疫ウイルスの潜伏期間は1週間~10日ほどとされる。一緒に避難した種牛「忠富士(ただふじ)」の感染疑いが5月22日に明らかにされてから、県は連日、遺伝子検査を実施。さらに、忠富士から感染した疑いについての最終的な判断は、念のため抗体検査の結果を待ってから、としていた。

5頭は県家畜改良事業団(同県高鍋町)が管理する種牛55頭の中から選抜された主力種牛。忠富士、残りの49頭はすでに殺処分されており、5頭の延命で宮崎牛ブランドを支える種牛は「全滅」の危機を免れた。

ただ、県内では依然として発生例が続き、感染は終息していない。このため、県は当面の間、5頭の状態について観察を続ける。国の指針では、一緒にいた家畜の殺処分から21日後に移動制限を解除できる。このため、10日に再度、抗体検査を実施し、その結果を踏まえ、5頭の移動制限の解除を検討するという。早ければ13日午前0時にも解除される。

東国原英夫・宮崎県知事は「種雄牛は農家の皆様のご協力のもと作り上げてきた貴重な財産であり、5頭を守れる可能性が高まったことに安堵(あんど)するとともに、5頭以外を失うことになってしまった事態を重く受けとめております」との談話を出した。

《朝日新聞社asahi.com 2010年06月07日より引用》

 

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