エース級種牛5頭生き延びた 口蹄疫感染なし、ほぼ確定
2010年06月06日1時38分
家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)の問題で、農林水産省と宮崎県は5日、感染の中心地から特例で避難させ、経過観察としていた特に優秀な「エース級」種牛5頭について、4日に採取した検体の遺伝子検査の結果が陰性だったと発表した。一緒に避難して口蹄疫に感染した疑いが判明した種牛「忠富士(ただふじ)」が殺処分されてから2週間、陰性が続いたことで、宮崎牛ブランドを支える5頭の延命がほぼ決まった。県家畜改良事業団(同県高鍋町)管理の種牛55頭のうち50頭はすでに殺処分され、残るはこの5頭だけだった。宮崎産子牛が出荷されている松阪牛(三重県)や近江牛(滋賀県)などブランド牛の地元からも、宮崎の種牛の全滅を危惧(きぐ)する声が上がっていた。
農水省と県は再確認のため、4日に採取した5頭の血液の抗体検査をする。6日夜にも結果が判明する予定で、5頭が感染を免れたと判断したら、生存を認める見通し。
エース級種牛6頭は5月13~14日、家畜の移動が禁じられる「移動制限区域」から特例として約20キロ離れた同県西都市の山中に避難したが、最も優秀な忠富士は22日に陽性が確認され、殺処分となった。また、事業団に残った種牛49頭も、同敷地の牛の一部が発症し、31日にすべて殺処分された。
避難した6頭のうち、残る5頭も通常なら家畜伝染病予防法に基づき殺処分されるが、農水省は特例として経過観察を認め、7~10日とされる潜伏期間を超える2週間を設定し、連日、遺伝子検査を続けてきた。
《朝日新聞社asahi.com 2010年06月06日より引用》