口蹄疫で一部の制限区域解除 えびの市など11市町村
2010年06月04日0時9分
- 県が発生農場から半径10キロ内を家畜を動かせない移動制限区域に、同じく10~20キロを運び出せない搬出制限区域に設定した
- 県道53号沿いには、「消毒ありがとう」と書かれた飼料のロールが並んでいた。近くの畜産農家が感謝の気持ちを表して置いたという=3日午後7時16分、宮崎県えびの市、金川雄策撮影
宮崎県で広がる家畜の伝染病・口蹄疫(こうていえき)の問題で、感染拡大防止のため県西部のえびの市と、隣接する熊本・鹿児島両県を合わせた5市5町1村の半径20キロの範囲で設けられていた家畜などの移動・搬出制限区域が、4日午前0時、解除された。県東部の都農町や川南町周辺では感染拡大が続いているが、えびの市周辺ではこの3週間、新たな発生が無かった。この地域では今後、家畜の出荷などが自由にできる。一連の口蹄疫発生に伴う制限区域解除は初めて。
今回の最初の感染疑いは4月20日に都農町で見つかった。その8日後、南西に約70キロ離れたえびのでも、牛の農場で発生が確認された。結局、えびのでは計4例発生し、牛・豚合わせて670頭が殺処分された。
発生後、家畜伝染病予防法に基づく指針で、県が発生農場から半径10キロ内を家畜を動かせない移動制限区域に、同じく10~20キロを運び出せない搬出制限区域に設定した。区域は隣接する熊本県人吉市や鹿児島県湧水町など、3県の11市町村に及んだ。
えびの市では5月13日の4例目以降、発生が止まっていたため、宮崎県は同24日から制限解除に向け、発生農場から半径3キロ内の農場にいる牛の血液を調べたり、3~10キロ内にある農場の牛と豚の状態を見たりする「清浄性確認検査」をしていた。
農水省は清浄化の成功理由として、発生確認の当日か翌日に殺処分を終えていたこと▽発生農場周辺で一般市民も行き来を控えるよう求めるなど徹底した消毒▽農場が密集する県東部に比べ各農場が離れていること――などが功を奏したとみている。
《朝日新聞社asahi.com 2010年06月04日より引用》