豚コレラ、埼玉で確認 関東初 封じ込めに失敗
2019年09月14日
農林水産省は13日、埼玉県秩父市の養豚場で豚(とん)コレラの発生を確認したと発表した。昨年9月に岐阜市での発生がわかって以来、関東地方での確認は初めて。新たな地域への感染を防ごうと同省や各自治体は封じ込め策を進めてきたが、失敗した。
農水省などによると、12日に山梨県笛吹市の食肉処理場から「出荷された豚に異常がある」と通報があった。1頭は死に、他の3頭の消化管にも異常があったという。これらは秩父市から出荷されていた。検査の結果出荷元の豚も食肉処理場で異常のあった豚も豚コレラに感染していた。埼玉県は出荷元の約680頭について13日夜から殺処分を進める。農水省などは山梨の食肉処理場に出入りした車の経路を調べ、接点がある養豚場は監視下に置く。
豚コレラは昨年9月に、国内では26年ぶりに発生が確認された。それから1年間で岐阜、愛知、長野、滋賀、大阪、三重、福井の7府県で計40例が確認され、約13万3千頭が殺処分されている。同省は、野生イノシシが感染拡大の一因とみて、イノシシ用のえさ型ワクチンを散布。さらに全国の養豚場を柵で囲おうと、設置費用の助成制度をつくったり、野生イノシシの捕獲を強化したりしていた。しかし、新たに埼玉県でも感染が見つかった。2018年の畜産統計によると、同県の豚の飼育頭数は約9万頭。同省の担当者は「これまでと異なる地域での発生であり、重く受け止めなければならない」と話す。
《朝日新聞社asahi.com 2019年09月14日より抜粋》