20190824

[覇権 米中攻防]南米牛肉 中国向け急増


2019年08月24日

14億人の人口を抱える中国は食料確保に向け、国外で農地や農畜産企業の買収を活発に進めている。歴史的に米国の影響力が強く、「米国の裏庭」とされる中南米もその舞台の一つだ。

世界有数の牛肉生産国・アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから北西約300キロ・メートルの中部ウゲス。ここに中国の食肉加工会社「ブラックバンブー」の食肉処理施設がある。

ブラックバンブーは2016年、この施設などをブラジル企業から7500万ドルで買収した。毎日約600頭の牛が解体される施設からの対中輸出は近年、前年比で倍を超すペースで伸びている。

経済成長に伴い牛肉消費量が急拡大している中国の冷凍牛肉輸入量は、12年の約6万トンから18年には約102万トンと17倍に増えた。

中国の牛肉輸入元トップ3を占めるのがブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンの南米勢だ。18年までの6年間に、アルゼンチンからの輸入量は865倍に、ウルグアイからは15倍に膨らんだ。これらの国では中国企業による食肉会社買収も相次ぐ。中国メディアによると、ウルグアイ産牛肉の半数が中国向けという。(ウゲス 田口直樹、写真も)<特集6・7面>

図=地図

写真=「ブラックバンブー」が買収した食肉処理施設では、牛肉の対中輸出が急増している(14日、アルゼンチン・ウゲスで)

《読売新聞社ヨミダス歴史館 2019年08月24日より抜粋》

 

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