アフリカ豚コレラ、水際阻止作戦 検疫探知犬、33→53頭に
2019年08月02日
国内の空港などで働く検疫探知犬が今年度、33頭から53頭に増やされる。ミッションは、入国する人たちの荷物に潜む肉製品や果物を嗅ぎわけること。「不治の病」とされる家畜伝染病・アフリカ豚(とん)コレラ(ASF)が海外で広がっており、動植物の病気の感染源が侵入するのを防ぐ重要な役割を期待されている。
夏休みに入り、旅行客らで混雑する羽田空港の手荷物受取場。トランクの間を嗅ぎ回っていたビーグル犬のバッキー(オス、11歳)が、ある男性の背後で「お座り」をした。肉製品などを見つけたサインだ。係員に促され、男性がリュックを開けると、手作りのハムサンドが出てきた。
海外の肉製品は、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで日本向けの検査証明書を添付して売られているもの以外、真空パックのジャーキーや機内食の残りであっても国内に持ち込めない。農林水産省動物検疫所の速報値によると、今年1~5月に手荷物から見つかった畜産物の禁止品は3万9835件。うち1万4459件(36%)は、探知犬の「お座り」がきっかけだった。(荻原千明)
【写真説明】
検疫探知犬のバッキー=7月29日、羽田空港、遠藤啓生撮影
《朝日新聞社asahi.com 2019年08月02日より抜粋》