20090909

世界初イヌiPS細胞 長期の安全性研究に期待 京都大


2009年09月09日10時27分

イヌのiPS細胞(人工多能性幹細胞)作りに世界で初めて、京都大学再生医科学研究所の中村達雄准教授らが成功した。ヒトiPS細胞から作った様々な組織の細胞は安全性が未確認のため、ひとへの移植はまだ難しい。イヌは、すでにiPS細胞ができているマウスより寿命が長く、長期間の安全性や効果を確認する研究に使えそうだ。

中村准教授、大学院生の島田英徳さんらは、イヌ(ビーグル)の胎児の皮膚の細胞に、四つの遺伝子と化合物を入れて培養した。ヒトiPS細胞とそっくりな形態の細胞の塊ができ、iPS細胞で働く遺伝子を確認。試験管の中で、神経や血管など様々な組織の細胞になることも確かめた。

マウスの寿命は2年程度だが、ビーグルは10~15年程度。マウスではわからない長期の安全性や効果を調べることが可能になる。イヌは大型で、ひとの病気に近い症状をもつものもあり、治療法開発の研究にも使えそうだ。

イヌのiPS細胞は、マウスと同じように培養してもうまくいかなかった。今回は、培養液に特殊なたんぱく質を加えるなどの工夫をして成功した。

成果は近く、専門誌に発表する。(瀬川茂子)

 

《朝日新聞社asahi.com 2009年09月09日より引用》

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