温暖化でヒツジが小さくなっていく? スコットランド
2009年07月04日10時24分
【ワシントン=勝田敏彦】英スコットランドの離島に住む羊は、年々、体が小さくなっており、それは地球温暖化の影響らしいことがわかった。冬が短く暖かくなり、小さな子羊でも生き残れることになったことなどが理由と考えられる。気候変動が動物の遺伝形質に影響する可能性を示す例として、米科学誌サイエンス(電子版)に論文が掲載された。
動物は、体が大きいほうが生存競争で有利で、進化の方向としては体が大きくなるのが普通だが、スコットランド西方にあるセントキルダ諸島に住む野生のソーエイ羊と呼ばれる羊は、1985年以降の調査で、体が小さくなっていることがわかっている。
理由がよくわかっていなかったが、英インペリアル・カレッジ・ロンドンなどの研究チームが雌の羊の体重のデータを分析したところ、大きくなろうとする進化論的傾向を上回る形で、環境変化に対する反応が起きていることが数学的に示された。
1歳未満の子羊は、十分に大きくなれないと冬を越せないものだが、温暖化でそれほど大きくなる必要がなくなり、子孫を残すようになったことなどが原因らしい。
《朝日新聞社asahi.com 2009年07月04日より引用》