人豚鳥混在ウイルス、以前も存在 流行条件整っていた?
2009年05月08日11時50分
【ワシントン=桜井林太郎】新型の豚インフルエンザと同様に人と鳥と豚のウイルス遺伝子を持っている別の豚インフルエンザに、米国で05年以降、計11人が感染していたことが、米疾病対策センター(CDC)の調査でわかった。人から人への感染が疑われる例もあり、今回のような流行が起きる条件ができつつあったことを示している。
7日付の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に発表された。
研究チームは過去のインフルエンザ報告書などから、個別例を調べた結果、05年12月から09年2月にオハイオ州やアイオワ州など中西部を中心に11人の感染がわかった。詳細がわかる10人のうち9人は豚に直接接触か、豚がいた農場などを訪れていたが、1人はその形跡がなく人から人への感染が疑われるという。
ほぼ全員が熱やせきがあり、下痢を訴えた人が3割もいた。今回の新型インフルでも患者の約4分の1が下痢を訴え、通常の季節性インフルエンザに比べて多い。11人のうち8人は18歳未満で、若い感染者が多い点も、今回と似ている。4人が入院したが、いずれも回復している。
こうした人と豚と鳥のウイルスの遺伝子を持つ豚インフルエンザは、90年代後半に北米で豚の風土病として現れ始めた。将来も出現して人から人へ感染する可能性があり、監視を強める必要がありそうだ。
《朝日新聞社asahi.com 2009年05月08日より引用》