和牛受精卵、罪認める 「指示役」「運搬役」に求刑 【大阪】
2019年05月31日
和牛の受精卵と精液を検査を受けずに中国へ持ち出そうとしたとして、家畜伝染病予防法違反と関税法違反の罪に問われた飲食店経営の前田裕介(51)と無職の小倉利紀(64)の両被告の初公判が30日、大阪地裁であり、2人は起訴内容を認めた。
検察側は「和牛ブランドを毀損(きそん)し畜産業に深刻な打撃を与えかねない犯行」と指摘し、指示役とした前田被告に懲役2年6カ月、運搬役とした小倉被告に懲役1年6カ月を求刑し、結審した。判決は6月25日に言い渡される。
検察側は冒頭陳述で、前田被告が昨年6月、知人の中国人から依頼され、小倉被告に船で輸出するよう指示。和牛の受精卵や精液を不正に輸出しようとしたが中国の税関で発見されたと主張した。
さらに検察側は、前田被告が1回30万円の報酬で8~10回ほど不正輸出を繰り返し、小倉被告も渡航費用や報酬として3万円を受け取っていたと説明した。
前田被告の弁護側は最終弁論で、首謀者ではなかったとし、利益は毎回10万円ほどと反論。小倉被告の弁護側も利益は少額で深く反省しているなどとして、ともに執行猶予を求めた。(遠藤隆史)
《朝日新聞社asahi.com 2019年05月31日より抜粋》