「いかに抑えていくかに焦点」WHO事務局長声明の要旨
2009年04月28日10時24分
世界保健機関(WHO)が27日発表したマーガレット・チャン事務局長の声明の要旨は以下の通り。
27日に緊急委員会の第2回会合を開き、米国、メキシコ、カナダで確認されたH1N1型豚インフルエンザについて、入手できたデータを検討し、他国に広がる可能性についての報告も検討した。委員会の助言に基づき、次のように決定した。
警戒レベルを、現在のフェーズ3からフェーズ4に引き上げる。
引き上げは、世界的大流行(パンデミック)を引き起こす可能性が増したことを示しているが、それが不可避ということではない。
今後さらに情報が集まれば、フェーズ3に戻すか、さらにフェーズを引き上げるかもしれない。
決定は主に、人から人への感染を示す疫学的なデータや、地域社会レベルの発生を引き起こすウイルスの能力を主にかんがみた結果だ。
ウイルスの広がりを考えると、発生を封じ込めるのは不可能だと考える。いかに抑えていくかに焦点を当てるべきだ。
国境封鎖や渡航制限を行わないよう勧告する。体調の悪い人が海外渡航を延期し、海外渡航後に症状が出た人が治療を受けることは賢明である。
今は季節性インフルエンザ用のワクチン生産を続けるべきであるが、状況が変わるにつれて再検討が必要だ。WHOはH1N1型のウイルスに有効なワクチンの開発に必要な作業を支援する。
《朝日新聞社asahi.com 2009年04月28日より引用》