愛知で鳥インフルエンザ 農場のウズラ殺処分へ
2009年02月27日13時22分
- 鳥インフルエンザの発生について記者会見する神田真秋・愛知県知事(右)=27日午後0時2分、愛知県庁、加藤丈朗撮影
- 愛知県で確認された鳥インフルルエンザについて会見する農水省の原田英男・消費・安全局動物衛生課長=27日正午すぎ、東京・霞が関、中田徹撮影
- 愛知県豊橋市のウズラの飼育農家で、ウズラが高病原性の鳥インフルエンザに感染し、H7型のウイルスが確認されたと発表した。
農林水産省と愛知県は27日、同県豊橋市のウズラの飼育農家で、ウズラが高病原性の鳥インフルエンザに感染し、H7型のウイルスが確認されたと発表した。国内の家畜農場でH7型が見つかったのは1925年のニワトリ以来、84年ぶり。ただ、この農場では1羽も死んでおらず、同省は弱毒性の可能性が高いとみて遺伝子分析を急いでいる。
国内の家畜農家で、高病原性の鳥インフルエンザウイルスが確認されたのは、07年1~2月の宮崎県と岡山県での感染以来。
一帯は全国有数のウズラの卵の生産地。感染したウズラが見つかった農場は32万羽を飼養する大規模な採卵農家。ヒナ4万羽とウズラの成鳥28万羽が数百メートル離れて飼育され、成鳥の28万羽程度が殺処分の対象となる見込み。
愛知県は家畜伝染病予防法の防疫指針に基づき、半径10キロ圏内の養鶏場や、ウズラを飼っている養鶉場(ようじゅんじょう)を対象に、鳥や卵、飼料の移動を制限する。10キロ圏内には鶏やウズラの家畜農家が65戸あり、約400万羽を飼っている。弱毒性と確定すれば制限区域は半径5キロ圏内に縮小される。卵などが市場に流通する心配はないが、移動制限が長期化すれば、ウズラの卵の供給に影響が出る可能性もある。
愛知県の定期検査で、18日に採取した10羽の血清のうち2羽で抗体陽性の反応が25日に出た。25日に愛知県が改めてこの農場で簡易キット検査や遺伝子検査をした結果、いずれも陰性だったが、18日の検体をウイルス分離して茨城県つくば市の動物衛生研究所で分析したところ、27日午前にH7型と特定された。
H7型は02年にイタリア、06年にオランダ、07年には韓国で確認され、最近では昨年12月にデンマークで報告されている。
弱毒性の高病原性鳥インフルエンザは05年6月~06年1月に茨城県の40農場と埼玉県鴻巣市の1農場でH5N2型に感染した例がある。
昨春、青森、秋田両県境の十和田湖や北海道のサロマ湖で渡り鳥のハクチョウの死骸(しがい)から相次いでH5N1型のウイルスが確認されたのを受け、都道府県の検査体制が強化され、100羽以上飼う家畜農家が対象となった
《朝日新聞社asahi.com 2009年02月27日より引用》