20090128

iPS細胞から受精卵作り、容認を 学会が提言へ


2009年01月28日9時22分

産婦人科医や基礎医学などの研究者らでつくる日本生殖再生医学会(理事長、森崇英京大名誉教授)は、人の皮膚などの細胞から作る人工多能性幹細胞(iPS細胞)から精子や卵子を作るだけではなく、作った精子や卵子を受精させ、着床前までの研究を認めるべきだとの見解をまとめた。28日に発表する。

見解によると、iPS細胞から精子や卵子を作り、受精させて染色体の異常が起こらないかなどを調べるため、約5日後まで成長させることを提言する。関係者は「生殖細胞を作るだけで受精させなければ、機能するかどうか分からない。不妊の原因を探るには生殖細胞が育っていく過程を調べることが重要」と話している。

文部科学省の作業部会は、iPS細胞から精子や卵子を作る研究までは認める方向で議論しているが、「技術的にも倫理的にも時期尚早」として受精を認めていない。受精は命の始まりと密接にからむため、議論が多い。

同学会は、体外受精法で受精できない不妊の治療法の開発を目的にし、05年に設立された。約200人が定例の会合に参加する。昨年8月に委員会を設置し、人のiPS細胞から生殖細胞を作る研究について検討してきた。(佐藤久恵)

 

朝日新聞社asahi.com 2009年01月28日より引用》

 

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