ミカンジュースのかす活用で肥育 県の新ブランド和牛「紀州和華牛」 /和歌山県】
2019年02月14日
県は、新たなブランド和牛「紀州和華牛(わかうし)」について、県内で製造されたミカンジュースの搾りかすなどを使った飼料「エコフィード」を食べさせて脂肪を抑え、ビタミンEが豊富な牛肉に仕上げると発表した。
県などによると、エコフィードは食品残渣(ざんさ)を利用した飼料。県の畜産試験場などが、ミカンジュースの搾りかすやしょうゆ、緑茶のかすなどを混ぜた飼料を開発した。市販飼料より高たんぱく質、低カロリーでビタミンA、Eを豊富に含むという。
肥育開始から10~14カ月間、飼料の15~20%をエコフィードにかえることで、脂肪が少なく、ビタミンEを多く含む牛肉となるという。ビタミンEには、老化を予防する働きなどがあるとされる。また、エコフィードの利用により、飼料コストも1割ほど削減できるという。
現在、エコフィードを製造する産業廃棄物処理会社「エコマネジメント」の牧場(御坊市)で試験飼育されており、2月下旬ごろから「カルビ一丁」「和歌山麦酒醸造所 三代目」「鉄板焼ステーキ 京橋デュッセル」(いずれも和歌山市)で取り扱われる予定。
エコフィードを使い、県内で肥育された黒毛和牛で肉質等級を2~4に限るなど認定基準を設けてブランド確立を目指す。今後、肥育農家や飲食店、卸業者らが参加する協議会を設立し、生産の拡大や消費者へのPRに努めるという。県畜産試験場の担当者は「紀州和華牛はやわらかく、和牛特有のおいしさがある。サシの多い肉だけでなく、赤身の多い肉もできたので、色んな肉を楽しんでほしい」と話している。(本間ほのみ)
【写真説明】
紀州和華牛の肉=県庁
エコフィードを食べる和牛=県畜産試験場提供
《朝日新聞社asahi.com 2019年02月14日より抜粋》