20080224

万能細胞、臨床研究へ指針 厚労省が安全性確保狙い


2008年02月24日17時26分

体細胞からつくる万能細胞(iPS細胞)を使った研究が進む中、人への臨床研究についてのルールがないことから、厚生労働省は臨床研究の指針づくりに乗り出すことを決めた。研究班を立ち上げて3月末までに問題点を整理した上で、早急に指針をまとめる。

iPS細胞はさまざまな組織や臓器のもとになる能力があり、拒絶反応のない細胞移植や再生医療などへの応用が期待されている。しかし、治療法の確立に欠かせない臨床研究について、ルールを定めた指針などはまったくないのが現状だ。

このため厚労省は臨床研究の安全確保のための指針が必要と判断した。iPS細胞の作製から人への移植までの過程で生じる問題点などを研究班で検討し、新年度からの指針づくりにつなげる。

先端生命科学を応用した臨床研究では、骨髄中の造血幹細胞など体にもともとある幹細胞については、臨床研究指針がすでにある。遺伝子を組み込んだ細胞を体内に入れたりする遺伝子治療でも指針が定められている。

iPS細胞は昨年11月に京大などが「作製成功」を発表して以来、研究が急速に進んでおり、厚労省は指針づくりが後手に回らないよう、こうした現行指針の活用、拡充なども視野に、指針づくりを急ぐ。

 

《朝日新聞社asahi.com 2008年02月24日より引用》

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