食料自給率、13年ぶりに40%割る コメなど不作で
2007年09月10日
農林水産省が10日発表した06年度の食料自給率(カロリーベース)は、前年度より1ポイント低い39%で、13年ぶりの40%割れとなった。コメの消費量の減少に加え、天候不順で主要作物が不作になったことが影響した。同省は自給率を15年度に45%まで引き上げる目標を掲げるが、「今の実力では達成はなかなか望めない」(総合食料局)と、危機感を募らせている。
自給率は、食べ物が国産品でどの程度まかなえているかを、栄養学で使われる熱量(カロリー)に換算して示す指標。06年度は春の低温や夏の集中豪雨、秋の台風被害などで、砂糖原料のテンサイや果実・イモ類の生産量が前年度より減少。主食用は、ほぼ全量を国産でまかなえるコメも台風などで不作となったうえ、消費量(国民1人1年あたり)が61キロと前年度より0.4キロ減り、自給率を押し下げた。
自給率は1965年度は73%だったが、食生活が変化してコメを食べる量が減ったのに加え、米国産トウモロコシを与えられて育った牛の肉を多くとるようになったことなどで低下を続け、89年度に50%を割り込んだ。40%割れは、コメが大凶作となった93年度(37%)以来だ。
金額で計算した生産額ベースの自給率は同1ポイント低い68%で、2年ぶりの前年度割れ。バイオ燃料の原料として需要が増えたトウモロコシの国際相場が上昇し、家畜のエサに占める輸入飼料の金額が膨らんだことなどが自給率を押し下げた。
同省は食料自給率の低下に歯止めをかけるため、農業の規模拡大による国産農産物の競争力向上や、消費者や食品加工・販売業者が求める野菜類の安定供給を農家に促すなどの政策をとってきた。さらに、コメや家畜の飼料作物などの消費・生産量を増やす対策を早急に検討し、08年度政府予算の概算要求にも反映させる考えだ。
《朝日新聞社asahi.com 2007年09月10日より引用》