肝臓細胞を並べたシートをマウスに移植、補助肝臓に
2007年06月18日02時23分
肝臓の細胞を並べた「シート」をつくってマウスの背中に移植し、肝臓の働きをさせることに、大橋一夫・東京女子医科大准教授らのグループが成功した。細胞シートは200日以上働き続けた。米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に18日発表する。肝臓病の新たな治療法開発につながる可能性がある。
大橋さんらは人の遺伝子を組み込んだマウスの肝臓の細胞を3日間培養し、厚さ100分の数ミリで平面的に広がった直径3.5センチの細胞シートをつくった。これをマウスの背中の皮膚の下に移植。この「補助肝臓」でつくられた人のたんぱく質の量を調べると、200日以上、働きを保っていることが確認された。シートを重ねるとできるたんぱく質の量が増え、4枚重ねまでできた。
将来は、病気になった肝臓から残った正常な肝細胞を探して培養し、使うような応用が考えられるという。肝臓の遺伝子の異常で起こる病気に対して、正常な遺伝子を導入した肝細胞シートで治療できるようになる可能性もあるとしている。
《朝日新聞社asahi.com2007年06月18日より引用》