血1滴・30分で遺伝子を診断 理研チームが手法開発
2007年02月19日03時05分
一滴の血液があれば30分で遺伝子レベルの微妙な個人差を診断する手法の開発に、理化学研究所の林崎良英プロジェクトディレクターらの研究グループが成功した。18日付の米科学誌ネイチャーメソッズ電子版に掲載される。横浜市立大と共同で、肺がん用抗がん剤イレッサ(一般名=ゲフィチニブ)の効果を予測する診断キットも開発しており、3月から臨床研究を始める。
DNAの配列にはわずかな個人差(SNP)がある。最近の研究で、薬の効き方や副作用、病気のかかりやすさに関係していることがわかりつつある。SNPを診断する従来の方法は、DNAを精製、増幅させて、特定のSNPを検出するのに1時間半~数日かかっていた。
林崎さんらは、増幅能力の高い酵素を見つけるなどして、こうした作業を大幅に短縮した。増幅時の間違いを防ぐ工夫も加え、精度を高めることもできた。診断装置の小型化もしやすいという。
診断時間が30分と短くなったことで、手術中に個人差によるがんの特性を分析し、対応を検討することも可能になる。
《朝日新聞社asahi.com 2007年02月19日より引用》