宮崎の別の養鶏場で鶏が大量死 鳥インフルエンザ陽性も
2007年01月23日23時44分
宮崎県は23日、同県日向市東郷町の養鶏場で同日までの2日間で鶏約570羽が死んだと発表した。高病原性鳥インフルエンザについて、県の簡易検査では11羽中1羽が陽性で、4羽が陽性が疑われる疑陽性だった。県は感染の疑いが強いとみて、ウイルス鑑定の作業を開始するとともに、現場から半径10キロ以内の養鶏場に、鶏や卵の移動自粛を要請した。同県では、清武町でも13日に感染が確認されたが、約60キロ離れており、県は「清武からウイルスが運ばれたとは考えにくい」とみている。
県によると、この養鶏場は、約5万羽の肉用鶏を飼養。22日に243羽、23日に326羽が死んだという。とさかの壊死(えし)や顔面の充血など、鳥インフルエンザに特有の症状がみられた。22日に養鶏場の管理獣医師から「死んでいる鶏が多い」との連絡が入ったため、県が簡易検査を実施していた。 この検査結果を受け、県は23日夕からウイルスの分離作業を開始。25日午前にも終える見込みだ。ウイルスが確認された場合、独立行政法人「動物衛生研究所」(茨城県つくば市)に検体を送り、鑑定を受ける。県は23日、この養鶏場への出入りを禁止し、場外を消毒した。日向市は特定家畜伝染病対策本部を設置した。
この養鶏場には、鶏舎が計5棟ある。防鳥カーテンと金網で野鳥を防ぐ対策をとっていた。大量死があったのは最も大きな1棟で、51日齢の若鶏約2万羽を飼育、27日以降に出荷予定だった。県の聞き取り調査に、この養鶏場は「ほかの4棟に異状はない」と答えたという。14日の電話による聞き取り調査でも異状は報告されず、従業員の健康状態にも異状はみられないという。
県の調べでは、今回の農場と、13日に感染が確認された清武町の農場とは、ヒナや餌の入荷元は異なり、同じ業者の出入りもなかった。同町の養鶏場から半径10キロ以内の11農場に対する、20日までの清浄性検査でも感染の拡大は確認されておらず、距離からみても、同町の養鶏場からウイルスが運ばれたとは考えにくいとの見方だ。
日向市東郷町は、今月11日に鳥インフルエンザの疑いが発表された清武町から北に約60キロ離れた山間の農村地帯。旧東郷町は06年2月、日向市と合併した。
県が今回、鶏や卵の移動自粛を要請した区域は、同市と、隣接する美郷町の一部。当該農場を除けば、30カ所の養鶏場に約95万羽が飼育されているという。
この日就任したばかりの東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお)(そのまんま東)知事は「拡散防止に全力をあげる。風評被害対策にも最大限努力したい」と話した。
《朝日新聞社asahi.com 2007年01月23日より引用》