20070121

鳥インフルエンザ対策で家禽類の飼育制限 インドネシア


2007年01月21日18時47分

鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)による死者が世界最多の62人に達したインドネシアで、感染拡大を防ぐため、家禽(かきん)類の飼育が制限されることになった。政府は18日、人への感染が確認された9州で家禽類の家庭での飼育を禁じる方針を決定した。

これを受け、ジャカルタ特別州は2月1日から家禽類の飼育を一切禁止することを決め、住民に対し、飼育している鶏やアヒルなどを適切に処理して食用とするか、殺処分するよう求めた。スティヨソ知事は「人命にかかわる問題で、一切の猶予は許されない」として、来月以降は強制的に処分する方針を示した。養鶏場は住宅地から離れた地域に移転させる。

ジャカルタ中心部でも家禽類は一般家庭でごく普通に飼われており、首都圏だけで数百万羽いるとされる。健康な鳥に対しては補償金は支払われないことや罰則規定がないことから、実効性を疑う声もある。

インドネシアでは05年に初めて人への感染が確認され、この1年余りで感染者が急増。世界保健機関(WHO)によると、20日までに世界全体の3分の1近くにあたる80人が感染、うち62人の死亡が確認された。

しかし大量の殺処分に踏み切り、拡大防止策が功を奏してきたベトナムやタイなどとは対照的に、資金難などを理由にこれまで効果的な対策を打ち出せずにいた。今年に入っても死者や患者が相次いでおり、政府も対策に本腰を入れざるを得なくなった。

 

《朝日新聞社asahi.com 2007年01月21日より引用》

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