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鳥インフルエンザ強毒性か 宮崎大量死 全国緊急検査へ


2007年01月12日13時25分

鳥インフルエンザが原因とみられる宮崎県清武町の養鶏場での鶏の大量死について、農林水産省は12日、周辺の養鶏場に鶏や卵の移動自粛を要請し、全国の都道府県にも全養鶏場への緊急の立ち入り検査を指導した。同省は、強毒性の高病原性鳥インフルエンザの可能性が高いとみているが、「高病原性鳥インフルエンザだとしても、鶏肉や卵からの人への感染例はない」として消費者に冷静な対応を呼びかけている。

同省は12日午前、省内の高病原性鳥インフルエンザ対策本部の会合を開き、全国の自治体や養鶏業者に拡大防止のため鶏舎の消毒などの徹底を求めることなどを決めた。感染が疑われている養鶏場のほかに半径10キロ以内にある17養鶏場(計約40万羽)にも、鶏や卵の移動自粛を要請した。

鶏が大量死した養鶏場では12日午前8時ごろから、宮崎家畜保健衛生所(宮崎市)の職員らが消毒作業など防疫措置に着手。消毒作業が済み次第、鶏の飼養状況などを詳しく調べる立ち入り検査を実施する方針だ。農水省は、短期間での大量死や症状から、強毒性の高病原性鳥インフルエンザの可能性が高いとみている。渡り鳥などが原因とみられる04年の発生例と、よく似ているという。

この養鶏場は、肉用ブロイラーの親となる種鶏を育てて卵を産ませ、ひなをブロイラーの養鶏場に出荷している。死んだ種鶏のひなは、出荷前だったという。

高病原性鳥インフルエンザと確認されれば感染養鶏場の鶏すべてを殺処分するほか、半径10キロ以内の鶏や卵の移動が規制される。

鳥インフルエンザは04年、国内では79年ぶりに山口県阿東町の採卵養鶏場の鶏からウイルスが検出され、その後、京都、大分、茨城、埼玉でも確認されている。

農水省によると高病原性鳥インフルエンザは強毒性でも、鶏肉や卵を食べて人に感染した例は世界的になく、国内では鳥との接触で人が発病した例もない。一方で東南アジアなどでは、まれに強毒性鳥インフルエンザが人に感染し、死者が出ている。

 

《朝日新聞社asahi.com 2007年01月12日より引用》

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