人に感染ほぼなし 濃厚な接触は危険 鳥インフルエンザ
2007年01月12日12時11分
高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1型は03年以降、インドネシアをはじめとする東南アジア、中東など世界各地で猛威をふるっている。鶏を飼っている農家を中心に、世界中で250人以上が感染し、06年だけでも80人が亡くなった。
ただ、鳥から人への感染は散発的で、鳥と濃厚な接触のあった人に限られている。感染した鶏の世話や、ふんを処理するなどした人でなければ、感染の恐れはほとんどなく、周辺に住んでいたり、近くを通ったりしただけでは心配ない。
04年2月に京都府内で発生した際、養鶏場の従業員ら5人が、抗体検査から感染の可能性は確認されたものの、発症した人はいなかった。
懸念されているのは、「新型インフルエンザ」への変異だ。鳥インフルエンザウイルスは、遺伝子が突然変異したり、ブタや人の体内で混ざったりすると、人に感染しやすいウイルスに変わり、新型インフルエンザになる可能性がある。
新型インフルエンザが発生すると、多くの人が免疫を持たないため、世界で大流行する恐れがある。厚生労働省は、4人に1人が感染し、ウイルスの毒性が強かった場合、「国内で64万人が死亡する」と推計しており、治療薬の備蓄などの対策を進めている。
《朝日新聞社asahi.com 2007年01月12日より引用》