宮崎県で鳥インフルエンザの疑い 約750羽死亡
2007年01月12日01時14分
農林水産省と宮崎県は12日、同県清武町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザに感染した疑いのある肉用種鶏約750羽が死んだことを確認したと発表した。養鶏場の簡易検査の結果、陽性反応が出た。宮崎家畜保健衛生所でウイルス分離などの病性鑑定をしており、12日夕にウイルスの分離ができれば茨城県つくば市の研究所に送って鑑定する。早ければ13日午後にウイルスの確認ができる見込みだ。農水省は12日朝、対策本部の会合を開く。
調べでは、発生が疑われているのは同町内の養鶏場で、肉用種鶏約1万2000羽を飼育している。3棟の養鶏場のうち1棟で10日に250羽、11日に500羽が死んでいるのが見つかった。農場の管理獣医師が11日にインフルエンザのA型簡易キットで検査した結果、陽性とわかり、宮崎家畜保健衛生所に連絡した。
県によると、9日までは大量死はなく、この数日間は養鶏場から、ひな、卵を出荷していない。従業員や家族の健康被害も確認されていない。
鳥インフルエンザの疑いがある死亡例が見つかったのは、県内で初めて。宮崎県は06年2月現在、ブロイラーの飼養数が1843万7000羽、飼養農家数394戸で、ともに全国一。郷土料理「チキン南蛮」は有名で、首都圏にも宮崎地鶏の専門店が多い。
県と農水省は家畜伝染病予防法にもとづき、緊急の措置として養鶏場を隔離し、ウイルスの鑑定をしている。周辺の農場に対しては、鶏や卵の出荷の自粛を求めている。また、この農場周辺の養鶏場の状況を把握し、高病原性鳥インフルエンザと確認した場合には、殺処分や発生現場の消毒などの防疫措置をとる。
鳥インフルエンザはウイルスに感染して発症する鳥類の疾病で、法定伝染病に指定されている。感染した鳥の肉や卵を人間が食べても感染することはない。04年、国内では79年ぶりに山口県阿東町の採卵養鶏場の鶏からウイルスが検出され、その後、京都、大分、兵庫、茨城でも確認されている。
《朝日新聞社asahi.com 2007年01月12日より引用》