女性の心筋梗塞、喫煙で危険性8倍 熊本大など調査
2007年01月01日21時23分
日本人女性が心筋梗塞(こうそく)になる危険要因のトップは喫煙で、たばこを吸う人は吸わない人より8倍も危険性が増すことが、熊本大などの研究グループによる調査で明らかになった。男性でもたばこを吸う人の方が危険性が4倍高く、喫煙は高血圧に次ぐ要因だった。
02年に急性心筋梗塞を初めて発症した全国の患者1925人(平均67.7歳、男性1353人、女性572人)と、年齢と性別の割合を患者に合わせた健康な2279人のデータを解析。高血圧や喫煙などの危険要因が、それぞれ単独でどのくらい大きいかを調べた。
男性では、高血圧の人はそうではない人と比べて4.80倍発症し、続いて喫煙が4.00倍、糖尿病が2.90倍。女性では喫煙が8.22倍で、糖尿病が6.12倍、高血圧が5.04倍だった。
喫煙リスクが女性の方が男性より高い理由について、河野宏明・同大助教授は「はっきりしないが、体質的なものに加え、女性の方が体が小さく影響が大きいのかもしれない」という。
欧米では、喫煙と、高コレステロール血症などの脂質代謝異常が2大危険要因とされる。今回の研究では、高コレステロール血症は、日本人男性で1.52倍と他の要因に比べて低く、女性では1.10倍だが統計上の明確な差は出なかった。
河野さんは「日本では、特にお年寄りは低カロリー・低脂肪の食事をとるなど、欧米の生活様式との違いが出たのではないか。ただ、子どもを含めた若い世代は欧米化しており、今後重要な危険要因になるだろう」と指摘している。
《朝日新聞社asahi.com 2007年01月01日より引用》