成育医療センターがES細胞作製へ 文科省専門委が了承
2006年12月14日
人の胚(はい)性幹細胞(ES細胞)の作製で、国立成育医療センター研究所(東京都世田谷区)の計画が14日、文部科学省の生命倫理・安全部会専門委員会で了承された。ES細胞は、人体のさまざまな臓器や組織に成長する可能性があり、再生医療の切り札と期待される。了承は京都大再生医科学研究所に次ぎ、国内で2施設目となる。
ES細胞は、不妊治療で必要がなくなった受精卵を提供してもらい、内部の細胞の塊を取り出し培養してつくる。京大は3細胞株の作製に成功、国内の研究機関に基礎研究用として分けている。だが、牛の血清やマウス細胞を培養に使っているため、将来、臨床で応用するには、未知のウイルスやたんぱくによる感染症の心配がある。
同センター研究所は最大15細胞株をつくる予定。数年以内に動物の細胞を使わない培養法の確立を目指す。培養時に生じがちな遺伝子変異を少なくする方法も探る。
《朝日新聞社asahi.com 2006年12月14日より引用》