20060815

凍結マウスの精子から子ども マンモス復活も?


2006年08月15日08時22分

15年間丸ごと冷凍されていたマウスから取り出した精子を使い、元気な子どものマウスを得ることに理化学研究所(埼玉県和光市)のチームが成功し、今週の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。特殊な薬品や技術が必要な精子だけの凍結保存と比べると簡単で、永久凍土に眠るマンモスの復活などにも応用できる可能性があるという。

同研究所バイオリソースセンターの小倉淳郎室長らは、精子を作る精巣や、貯蔵する「精巣上体」と呼ばれる臓器をそのまま冷凍庫(零下20~80度)で保存。数週間、数カ月後に取り出した精子から子どもを得ることに成功した。

さらに、慈恵医大で15年間、零下20度で保管されていたマウスの精巣の精子から27匹の子どもが生まれ、その子も、成長後に子どもを持つ能力があることを確かめた。

小倉さんは「この研究を広げれば、永久凍土のマンモスなど絶滅種の精子と近縁種の卵子から子どもが生まれることもあり得ないことではない」と話す。

生物学的にはマンモスよりも人間の方が成功率は高いというが、まずは絶滅が心配される野生動物への応用を探りたいという。

現在、研究用に開発した遺伝子組み換えマウスを次世代に残す方法として、精子の凍結保存が行われている。しかし、精子を洗ってから保護剤と一緒に液体窒素で凍らせるなど、かなり手間がかかっている。

 

《朝日新聞社asahi.com 2006年08月15日より引用》

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