米産牛肉、輸入再開を２７日正式決定

2006年07月26日19時40分

農林水産省と厚生労働省は、牛海綿状脳症（ＢＳＥ）の危険部位が混入していたために１月２０日から停止している米国産牛肉の輸入を再開することを２７日に正式決定する。農水、厚労両省の専門家による調査団が査察した米国の３５の食肉処理施設のうち３４施設からの輸入再開を認めることで２６日に自民党の了承を得た。日本の決定を受けて、米国はただちに牛肉輸出を再開する。８月上旬には、再開第１号の牛肉が国内の店頭に並ぶ見通しだ。

日米両政府は６月、日本の専門家による事前査察の実施などを条件として、米国産牛肉の輸入を再開することで合意した。日本の調査団は２３日まで約１カ月間、米国内の３５処理施設でＢＳＥの原因物質が蓄積しやすい脳や脊髄（せきずい）といった特定危険部位を確実に除去しているかなど、日米が合意した安全条件を確認した。

査察した施設のうち管理態勢の整備が遅れている１施設からの輸入は当面認めないことにした。また、昨年１２月に輸入再開した際、日本向け施設の認可を得ないうちに牛肉を処理した１施設については、米政府の検査官をしばらく常駐させることを条件に輸入を許可する。

昨年１２月以降に輸入され、１月の禁輸によって倉庫内で保管されたままになっている約１０００トンの牛肉は今後約３カ月間、輸入再開された米国産牛肉の状況を確認してから販売を認める。

農水、厚労両省は２７日に輸入再開を正式決定後、内閣府食品安全委員会と米政府に報告する。２８日からは消費者の理解を得るため、東京、大阪を皮切りに全国１０カ所で説明会を開き、輸入再開について理解を求める。

《朝日新聞社asahi.com 2006年07月26日より引用》