BSE検査対象を縮小へ 米政府
2006年07月21日01時44分
米農務省は20日、牛が牛海綿状脳症(BSE)に感染しているかどうかの検査について、対象の牛の数を縮小することを発表した。実質的に現行の10分の1程度になり、8月下旬ごろから移行する。過去2年間に計約76万頭を検査したが、感染率が低いことが判明しており、年間4万頭の平常規模に戻す。
感染を検知するには適正な数との考えだが、食の安全を重視する輸入国などから疑問の声が上がる可能性もある。検査頭数は03年は2万頭だったが、BSEに感染した牛が同年12月に初確認されたことを受け、04年からサンプル数を大幅に増やしていた。費用は1週間に100万ドルといわれ、低いとされる有病率とコストの兼ね合いも判断に影響したとみられる。
これまでの検査で「有病率は100万頭に1頭より低い水準」だったので、米全体の4200万頭にあてはめると「感染可能性があるのは4~7頭の計算になる。米国の牛は極めて健康」としており、検査を現行水準で続ける正当性は「あまりない」との考えをすでに打ち出していた。これまで米国では3頭の感染が確認されている。
日本政府は週末までに米国産牛肉の輸入再開に向けた米食肉処理施設の調査を終える見通しだ。
《朝日新聞社asahi.com 2006年07月21日より引用》