20180910

和牛、豪州に挑む 17年ぶり輸出再開、商機


2018年09月10日

 

岐阜市内の養豚場で9日、豚(とん)コレラウイルス陽性の豚が確認された。岐阜県は感染の拡大を防ぐため豚の移動や搬出を制限。同じ養豚場の豚546頭を殺処分した。県などによると国内での豚コレラウイルスの発生は1992年に熊本県で確認されて以来、26年ぶりだという。農水省は同日、国内の豚肉や豚肉加工品の輸出を停止した。

県によると、3日に岐阜市畜産課から県中央家畜保健衛生所に、死んだ肥育豚1頭の病性鑑定依頼があったという。同所で鑑定と精密検査をしたところ、7日に豚コレラウイルスへの感染の疑いが判明した。県は、ただちに国の農研機構動物衛生研究部門(茨城県つくば市)に精密検査を依頼。9日午前6時ごろ、陽性が確認されたという。

県の養豚場への聞き取りでは、感染の疑いが判明するまでに約80頭の豚が死んだという。感染ルートは不明としているが、他の養豚場などで豚コレラへの感染を疑わせる事例は報告されていないという。

県は発生が確認された養豚場の546頭を、10日午前5時すぎまでに殺処分した。今後、12日朝までに処分した豚の埋却や養豚場の消毒を行う。豚コレラは豚やイノシシに感染する伝染病。感染力が強く、発熱や下痢、歩行困難などの症状が出る。ただし、人には感染せず、感染した豚の肉を食べても健康への影響はないという。(板倉吉延)

■地下水汚染、不安視も

岐阜県は9日午前、養豚場の近隣住民を対象に説明会を開いた。

出席者によると、県側からは「豚コレラは人にはうつらないので心配することはない」「豚は殺処分し、シートに包んで埋める」などと豚コレラ対策の説明があった。

住民側は、豚の死骸から出る水分がシートの外に漏れ出すことや地下水の汚染を不安視。井戸水の水質検査の実施や風評被害を防ぐため、県による安全宣言を求める声などが上がったという。40代の女性は「豚などにしか感染しないと言われても、小さい子どもがいるので不安。すぐに影響がなくても長期的にみれば影響が出ないか心配です」と話した。(山野拓郎、吉川真布)

【写真説明】

養豚場に集まる防護服を着用した作業員=9日午前8時7分、岐阜市、山野拓郎撮影

 
《朝日新聞社asahi.com 2018年09月10日より抜粋》

 

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