多数が鶏舎を避難所に 鳥インフルの危険、ジャワ地震
2006年06月05日21時52分
先月27日に発生したジャワ地震による最大の被災地・バントゥル県の農村部で、家を失った被災者が養鶏場を避難所にするケースが目立っている。インドネシアでは、ジャワ島を含む広い地域で鳥インフルエンザの感染が多発しており、英国の医療支援NGO(非政府組織)は「養鶏場に残ったふんなどから感染の恐れもある」と注意を呼びかけている。
ジョクジャカルタの南約30キロにあるプントゥン村には、三角屋根の細長い養鶏場が点在する。
オパ川に近いある鶏舎には、5家族約30人の被災者が横になったり、車座になったりしていた。地震で家が倒壊。2500羽いたニワトリを出荷して空いていた鶏舎に避難しているという。
だが、高床式の鶏舎にはニワトリのふんが床から1メートル下の地面に積もっている。避難民のスタントさん(40)は「鳥インフルエンザは怖いけど、地震の後、雨が降り、屋根があるのはここしかない」。周囲の人たちも「どこに住めばいいと言うんだ」と同調した。
今のところ、村での鳥インフルエンザの発生は確認されていないが、体調を崩す人もいる。スパルミンさん(43)の3歳の息子は前夜から熱を出し、下痢が止まらない。「食料も満足ではなく、心配だ」
世界保健機関(WHO)は5日までに、インドネシアで37人の鳥インフルエンザ感染による死亡を確認した。37人目はジャワ島内の西ジャワ州バンドンで先月30日に死亡した15歳の少年という。
インドネシアの死者数は、ベトナムの42人に次ぐ多さ。5月だけで12人が死亡し、勢いは止まらない。
《朝日新聞社asahi.com 2006年06月05日より引用》