欧州で鳥インフルエンザ 鶏輸入止まり国内養鶏業に影
2006年04月11日01時56分
欧州での鳥インフルエンザの流行が、国内の養鶏産業にも影響を及ぼしそうだ。農家が採卵や食肉用として飼育している鶏の多くは、欧州で育種された鶏の「孫」。鳥インフルエンザの感染を防ぐため、欧州の主な農業国から生きた鶏の輸入が停止されたことで、国内の鶏が不足する可能性が出てきた。
世界で飼育される鶏の大部分は欧米の大企業が育種を手がけている。日本も欧米からヒナを生きたまま輸入して採卵し、その孫にあたるヒナを各地の養鶏農家で飼育するのが大半。国内で育種した鶏は採卵用で7%、食肉用は1%未満だ。
ところが、フランス産の鶏の輸入が2月24日付で停止。3月にはオランダ、4月6日にはドイツ産の生きた鶏の輸入が停止された。禁輸対象は、05年に日本が輸入した鶏の43%に及ぶ。
養鶏業界は米国や英国などからの輸入を増やすと同時に、すでに輸入した鶏を大切に扱い、通常は7カ月の採卵期間を10カ月以上に延ばして、ヒナ不足を解消する考え。
輸入停止が長期化した場合、農水省は低利融資などで農家経営を支援する準備を急いでいる。
《朝日新聞社asahi.com 2006年04月11日より引用》